ときどき、映画のことを考えます。そのとき、不思議と「どのような状況で」映画を観たのかを思い出すんです。映画作品のことだけではなくて。
大学の空きコマに図書館に籠って映画を観たこと。オールナイトのイベントで朝まで観たこと。立ち見で観たこと。(立ち見を選んでまで観たのに、何の作品かはきれいさっぱり忘れている)
サブスクでいつでもどこでも映画に触れられる恩恵を受けた代償に、こういう、映画を取り巻く名もなき出来事が吸い取られてしまっているのかしら。
わたしが映画のことを考えるとき、ほんのりさびしさを感じるのは、このせいなのかもしれません。
映画について考えるとき、あなたはなにを思いますか?
(ユキコ)
月がわりで、喫茶店にまつわるあれやこれやをテーマに、複数の語り手による文章や写真を掲載していきます。エッセイもあれば、小説もあれば、歌もある。そして今回は、音や短歌も。現実の喫茶店がそうであるように、そこに流れる、一人一人にとってユニークな時間の流れを、それぞれの記事から感じ取っていただけたならうれしいです。
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