胡桃堂喫茶店

特集・卯月篇「映え」

私はイチゴ

カエサザル進藤

私はイチゴ。

ふふふ、今日私は「イチゴあんみつ」の器に入ることになっているのよ。どんな風に映えてやろうかしら。

アイスクリームもあんこも、そりゃあ、あんみつの器には無くてはならないものよ。だけどここだけの話、彼らって映えてるかしら。ちょおっとねえ、冴えないわよねえ。白だし。黒だし。

器の中での私の立ち振る舞いにかかってるのよ、イチゴあんみつが映えるかどうかは。ところで気付いてない人も多いんだけど、私の本当の映えポイント知ってる?

断面よ。

外側のツブツブももちろん良いんだけど、見ようによってはグロいでしょ? そこへいくと、カットされた私の、この白から赤にかけての繊細なグラデーションはどう? 自分で言うのも何だけど、ため息が出るわよね。

あ、吉間さんが私の入ったかごを取りに来たわ。これからまな板の上で切られるのよ。ふ〜、緊張。

ついに私の番ね! そうそう、慎重にお願いね。私の体のちょうど真ん中を切るのが、一番美しい断面になるのよ。

あっ!ズレた!! えっ!ちょっと斜めよ!! どうなってるの! え? え? このまま!? えーっ?

カエサザル進藤(カエサザルしんどう)

カタカナ+苗字っていうペンネームをみんな持ってて、ちょっとうらやましくなりました。だけどみんなの漢字部分は、苗字じゃなくて駅名だったことに気がつきました。そしてカタカナ部分は食品名でした。気がついたんだけど、この名前が気に入ってしまったので、そのまま使ってみることにしました。