胡桃堂喫茶店

特集・睦月篇[令和五年]思い出のケーキ

わたしとケーキととなりにいたもの

ぴぷおまめ

わたしには
とても
大切な大事なケーキをもらったことがある

18で家を出た

児童虐待で
保護された
児童養護施設にすこし
自立援助ホームへそこで2年

東海地方から関東へ

親と家族と関係を切り
見切りをつけた
そして、
一人で生きていく覚悟で家を出た

だって大人たちに

ひとりでいきていく覚悟をしたら家をでる手伝いしてあげると言われたから

 

時給850円
肉体労働
鶏肉をひたすら切り続ける
八時間の工場労働
週6日
残業あり

やっと60万ためた
20歳になる歳の5月
施設からだされ
家に戻され
さらに
家から逃げて

公園でねとまりして
家と職をさがした

わたしは東京へ自立した
施設の同じ歳の友達と
シェアして家を借りた

ケーキ屋につとめた

フランス菓子。

販売をはじめてした。

店長は7歳上の女性だった

とてもきびしい
店長
でも
優しくしてくれた
飲み方をおしえてくれた
居酒屋早く連れてってくれた

人に笑顔なんてできなかった
いらっしゃいませ

電話が鳴っても
対応がぎこちなく

いらっいませもこわくて
笑顔もひきずり

ラッピングの包装も、、、
全てが必死にこなしたまいにちだった

東京なんて
どうしてここにいきてるのだろう
わたし故郷にかえれない
もう一人でここでいきていくしかない

どんなときも
どんなことがあっても
ひとりで対面してのりこえていかなきな

そんな
なか

成人式の季節がきた

20歳。

わたしははたらく

故郷へはもうかえれないし

居場所がばれたらいけないから
友人とも連絡取れない

 

わたしには関係ない世界もう
家を見切りつをつけていきていくのに

あたりまえができるわけない
みんなとちがう

ひたすら
ひたすら
生活を維持するお金を稼ぐまいにち

しがみついて
なんとかこなしていく

そんなわたしをみて
上司が
みんなが
同僚が
こばりんと
可愛がってくれた

 

成人式の日
わたしは
一日仕事。

仕事おわって

店長が

こばりん

これどうぞ

ケーキのホール5号

のはこ

あけてみる

成人おめでとう。
のプレートのケーキ
が入っていた

家に帰り
同じ歳の同じ境遇で成人式にでれなくはたらいた
ふたりで

ケーキをみて
泣いて
喜んだ夜

 

わたしはわすれない

 

店長からの
すてきな
成人祝い
のケーキ

わたしはでも
振袖をきたことがないから着てみたかった

故郷かえりたかった

ケーキ屋ではたらいて
成人のわたしとケーキと

大人になった
なろうとしてたわたしがいる

ケーキのとなりの
わたしは
そこには
一人で生きていく覚悟したのに
そのときのわたしのとなりに

優しく助けて応援してくれる仲間ができた。

ぴぷおまめ

心のままいきてます

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