胡桃堂喫茶店

特集・睦月篇「最初のひとくち」

きもちでたべる コーヒーいれようかから始まる物語

ぴぷおまめ

目の前に
お皿と作ってくれたものがある

入れてくれたコーヒーが湯気をたてる

心がモヤモヤしてる日
わたしはたべものを
もぐもぐとしやすい

それがなんでも
ものになりやすく
最初のひとくちは
いつも無になっていた

一人暮らしの
6畳のアパートの
3食は無になるための
一口もない
食事になっていく

心は頭はフル回転さんがしく
食べ物は
無なのだ

そんな感じで病をして働けないことより
食から
孤立がうまれた

10年そんな感じだったわたし
国分寺の
街の寮に暮らし始めた

コーヒーいれましょうか
住んでる人が仲間にいれる

コーヒーを淹れる
動作は時間を紡いで
コーヒーに注がれた

映画のワンシーンを感じた

テーブルに
はいどうぞとおかれた
コーヒー

手にしてありがとうといって
くちに

ひとくちめのコーヒーは

苦くて酸っぱかった

無から
人が入れてくれたコーヒーを
楽しむ自分が

大きな柿の葉の緑につつまれた

時間のそこに私が人といた
人ととなりに

ぴぷおまめ

心のままいきてます

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