胡桃堂喫茶店

特集・睦月篇「最初のひとくち」

いただきます

大畑純一

あ、お食事中にすみません
ただの興味本位なんですけどね、
じゃ、ちょっとお箸を置いていただいて、
ではここで質問です
ジャジャン
最初のひとくち、っていま思い出せますか
あ、そうです、いまお召し上がりになってる、はい、
食べ始められた時の・・・

ある人は、まったく思い出せない。
いつ食べ始めたっけ、なんていうシチュエーションも多いだろうなと思う。
私は決まってお味噌汁からという人もいる。
ああ、えっとね、最初のひとくちはこれでした
と答えられる人もいる。
そのひとくちが忘れられない人もきっといる。

ひとくちに食事といっても
コンビニのおにぎりから夜景の見えるレストランまで幅は広い。
ただ、ひとつ思ったことがある。
何かを食べる時、何かに出会っているとも言えるなら
私たちはそれを食事のたびに繰り返している。

胡桃堂喫茶店での食事が
1杯のコーヒーや、何気ないお菓子が
いい出会いになればと願っている。
もしや入口があって階段があって、お店という空間だって
いい出会いを演出するためにあるのかもしれない。

席につき、注文をしたものが運ばれてくる。
いい出会いになりますように
そんなおまじないに
うってつけの言葉を私たちは知っている。

大畑純一(おおはた・じゅんいち)

スタッフ。チーム全体の庶務を仕事の中心としながら、たまにシフトにも入る。ホールをうまく回せているときが人生で一番楽しい。ただ、脳のメモリが十分でないためよく混乱している。

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