いつもの部屋、やるべき家事、やるべきタスク、スマートフォンの引力、——色んなものから少し逃避したくなって、身体が喫茶店へと向かう。
お店に着くと、普段の役割やルーティンから外れて、ただの1人の客に、でも同時にお店の雰囲気を作る1人になる。リラックスできるけど、全くのプライベートでもない緊張感。
やるべきこと、やらなきゃいけないことがすっかり頭から離れるわけではない。けれど一旦日常から外れてみると、追われる気持ちが、重みが、少しだけ和らぐ。
ひと息ついて、飲み物と店内の雰囲気とを味わって。ふと、自分を追い詰めていたのは自分だったのかも、なんて気づく。
少しだけ前向きになった気持ちで、また日常へと向かう。
大きくはなくても、前に進めているはず。