胡桃堂喫茶店

特集・卯月篇[令和五年]YOUは何しに喫茶店へ?

湯気と冒険

立夏

喫茶店に行く理由。
それはね、腰を下ろすためさ。腰を下ろしたら、安心する。
安心すると、冒険ができる。

椅子に体を預ける。店内をぐるりと眺め、メニューに触れる。
ほーっとため息が出れば、静かなる冒険のはじまり。

コーヒーから立ち上る湯気のように、ゆらゆら、ふわふわと。
喫茶店という名の海に身を委ねて、考える。
考えて、消えて、考えて、消えて。
寄せては引いていく波のように。
希望、展望、野望、思っても見ないようなアイデアが岸に打ち上げられる。
大航海に出た船乗りの気分で、ゆっくり舵を切る。

行き先は、きっと辿り着きたい場所。
行ってごらん。勇気をだして。
喫茶店は本音を差し出せる、おおらかな港のような場所。

立夏

幼少期から図書館へ通い、児童文学、絵本が好きになる。
小学生の時に書いた絵本が学年最優秀賞に選ばれる。
夢は絵本作家になることだった。
大人になった現在は、旅、出会い、食など、感じたことを徒然なるままに書きとめている。

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