先日、あるコーヒーチェーン店で一服していたときのことです。
その店は、チェーン店といってもファーストフード的ではなく、落ち着いた内装と雰囲気で、気分良く過ごせる場所でした。
しばらくくつろいでいると、突然BGMの雰囲気が変わりました。無調のギターノイズと電子音で構成された、前衛ジャズみたいな音楽が始まったのです。
私は同席していた自分の娘と顔を見合わせて、「急に?!」と笑ってしまいました。それまでの流れからも、店の雰囲気からも、あまりにも唐突すぎたからです。
しかしまわりを見渡しても、そのことに異変を感じている様子の人は誰もいませんでした。店内は混んでいてざわついていましたから、BGMの変化など取るに足らないことだったのかもしれません。
私たちの希望的予想に反して、前衛ジャズはその1曲で終わり、BGMは再びもとのイージーリスニング的な音楽に戻りました。そのまま前衛音楽が続いたときの店の空気を楽しみにしていたのですが。
私たちは今でも、あれは諜報機関のメッセージだったのではないかと勘ぐっています。