花を「生ける」「活ける」。
どちらの漢字を使うかいつも迷う。
「いけ花」は、生きている花を人の手で切り取り、枝を払い、美しく咲いている花や蕾を摘みとる。
「生ける」と書くとどこか生々しい。「活」の字は、花には不釣り合いの強い印象を与えるが、私は摘み取った花や枝を「再び活かす」ことができればと願いながら「活」の字を使っている。
胡桃堂のお花を活ける時は、注意しないといけないことがたくさんある。
香りの強いもの、毒のあるもの、花粉がつくものは避け、出来れば花びらが散らないもの、そしてお店のイメージに合う花、枝ものを選ぶ。
活ける空間も限られているので、なかなか難しい。
『花で人間をいけるので、人間が花をいけるのではない』
『花は、いけたら、花でなくなるのだ。いけたら、花は、人になるのだ。』
勅使河原蒼風
そんな心境には、ほど遠い。