2023年7月30日更新
最も重要な「芸術」を問われたなら「美しい家」と答えよう、その次に重要なのは「美しい書物」と答えよう。
ウィリアム・モリス『理想の書物』(The Ideal Book, 1893 川端康雄 訳)
¶ 本はわたしたちにとって身近な存在です。¶
あらたなはなしも、ずっとふるい過去のはなしも、遠い国のはなしも、手元の本をつうじて知ることができます。¶そうした「本」をデザインすることは、声のいれものをつくる行為かもしれません。¶声のいれもの——装幀、活字書体と組版、用紙に印刷——そのたたずまいには、時代や地域ごとの「らしさ」や作品、著者や編集者・出版社の志向をみることができます。¶ことばと文字。今回はその周縁にあるたたずまいをつうじて、それぞれのデザインと時代背景をみてゆく機会となります。¶「声のいれもの」としての本。そのブックデザインをともによんでゆきましょう。
●紹介する書籍(一例)
The Nonesuch Press
Alfred Lord Tennyson ‘In Memoriam’ 1933
‘Mother Goose’ 1925
Geoffrey Keynes ‘The Writings of William Blake’ 1925
Lewis Carroll ‘The Complete Works of Lewis Carroll’ 1939
The Golden Cockerel Press
Eric Gill ‘The Lord’s Song’ 1934
Basle School of Arts and Crafts
Emil Ruder / Armin Hofmann / Kurt Hauert ‘Graphic Design’ 1967
Emil Ruder / Armin Hofmann / Kurt Hauert ‘Niklaus Stoecklin’ 1966
Emil Ruder
Desclée De Brouwer ‘Ronchamp’ 1958
Jan Tschichold
Jan Tschichold ‘Der chinesische und der japanische mehrfarbige Holztafeldruck,
technisch’ 1959
Hermann Zapf
Hermann Zapf ‘Typographische Variationen’ 1963
Jost Hochuli
VGS Verlagsgenossenschaft St. Gallen ‘Herbstlaub’ 2003
VGS Verlagsgenossenschaft St. Gallen ‘Sitterkiesel’ 2006
谷崎潤一郎『盲目物語』中央公論社 1932
谷崎潤一郎『陰翳礼讃』創元社 1939
川端康成『雪国』創元社 1941
壽岳文章『書物之道』書物展望社 1934
『工藝 44号』1934
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○ 声のいれもの —ブックデザインをよむ—
日時 :2023年8月25日(金) 19:00~20:30
〈 18:45よりお入りいただけます 〉
場所 :胡桃堂喫茶店
モデレータ:中村将大
参加費 :3,000円
お申込 :https://festina-lente.stores.jp/items/64827e1f5a1afd002bfa6a10
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○モデレータ紹介
中村将大
:帝京平成大学助教。1983年福岡うまれ。
人文社会学部メディア文化コース担当。
2007年武蔵野美術大学空間演出デザイン学科卒業。
おもにデザインに関する教育とデザインワークに従事。
大学外の講座も多数担当。