胡桃堂喫茶店

特集・弥生篇[令和七年]自分の時間を生きていると感じられるとき

サーキュラーキー/シドニー

魂という名の野生動物

5月5日(水)快晴 day16

夕立が数時間あっただけで、雨に降られた記憶がなかったシドニー滞在。いよいよ、最終日を迎えましたネ。LargeのSpecialピザを2キレ残し、風呂に入って、ウォッカ飲んで、そのまま本を読んで、眠くなったら歯を磨いて、寝て、起きてからチェルシーvsモナコ戦を見ようじゃねーかってことよ。でもやっぱ、カラっとした陽気と深い青色をした空と、愛すべき人たちが名残惜しい!

ひとりで海外旅行をしたかったが、ホントに来れて良かった。というのも、ダイアンやその友達、エルサやその家族(父ミゲル)のお陰で、たくさんのことに気がついた。何よりダイアンだ。彼女は、いい思い出をくれて、出会えたことに感謝している。本当に彼女はラブリーでキュートだ。それだけに残念。

でも決めた。会社を辞める。とりあえず3年は、気合いで頑張ろう。そして29の春、もしくは秋に再び。今度はワーホリか大学への留学というカタチで、海外への渡航を実現させたいもんだ。なんて思って、ここに来たけど、ここで過ごした時間で気が変わった。

最後に、17日間の読書休暇が終わる前夜に、ここで読んだ本の好きな一節を書き写しておく。滞在日記の締めくくりとして。

 

 

魂は野生動物のようなものだ

魂はタフで、回復力があり
機知に富み賢く
自給自足的である

しかし、魂は
その強靭さとは裏腹に
内気でもある

野生動物と同じように
魂は密生した草のなか
特に周囲に人がいるときに
安全を求める

もし私たちが
野生動物を見たいと思うのなら
「出てこい!」と叫びながら
森の中を突っ走るのは
一番しては、いけないことだ

もし森の中を静かに歩き
木の根元に辛抱強く座り
大地と呼吸を合わせ
周囲の環境に
溶け込むようにするのであれば
私たちが探している野生動物は
姿を現すかもしれない

それは、ほんの一瞬
目の端に映るだけかもしれないが
その光景は、それ自体が目的であり
いつも私たちが大切にしている
贈り物なのだ

それに、ついていきなさい

後をついていくことで私たちは
本当は、最初から自分が
歩むはずだった道を
生きるはずだった時間を
いつしか歩むようになる

そして、どういうわけか
自分が送るべき人生を送るようになる

その世界にいる人たちと出会うようになると
その人たちは、私たちのために扉を
開けてもくれる

それに、ついていきなさい

+2

魂という名の野生動物

「ない」「足りない」という世界観だった私に、影山知明さんは「すでにある」ことを教えてくれました。探していたものは、もうあった。そのときの体験を童話風にアレンジにしたのが【思い出のケーキ】という作品です。【喫茶「店と花」】という作品は、読みかた次第でエンディングが異なります。別れの物語として読むと離婚届が、出会いの物語として読むと婚姻届が待っている物語です。これに【あかちゃんになる】を連作として読むという余白、遊びを残しました。【喫茶「店とまち」】の舞台はブエノスアイレスで、年代は1960年代の前後です。短歌にはリアル店舗を忍ばせてあります。夜の『喫茶「店とまち」』から聞こえてくるのが【ポル・ウナ・カベッサ】です。【アフリカローズ】と【店と花】には、同じバラが使われています。【サン・イシドロ/ブエノスアイレス】と【東国分寺/東京】と【サーキュラーキー/シドニー】の3作品は、すべて違う時代です。