胡桃堂喫茶店

特集・弥生篇[令和七年]自分の時間を生きていると感じられるとき

小さなしあわせ

ピョンタン

昨年の下半期から、プライベートで目まぐるしい変化がありました。

両家顔合わせ、同棲、結婚…

一見、喜ばしいイベントの数々。
職場の方や、友人、親族から想像以上の喜びとお祝いの声をもらいながら、もともと環境の変化に弱い私は、マリッジブルーもしっかりと味わっていました。

想像はしていたけれど、やっぱり変化はしんどい。
気分が上下したり、なかなか眠れなくなったり、徐々に心身を蝕まれていきました。
一時的にかもしれませんが、仕事も今までのペースでは、できなくなってしまいました。

夫のことが嫌いなわけではありません。むしろ、かなりサポートしてくれているのです。

実家で悠々自適に暮らしていた独身時代の生活スタイルから抜け出し、家族以外の人と暮らす。家事もしなくてはいけない。大人にとっては普通でしょう。
何もかもが無償に親から与えられていた子どもが、大人になろうとする自立の一歩。しかし、この変化が、私にとってはとてもしんどかったのです。

何もかも夫に頼りっぱなしでは、さすがに罪悪感もあります。
日々、仕事に家事と頑張ってくれている夫と、対照的で頑張れなくなっている自分に自己嫌悪を抱くこともありました。
しかし、現状自分の心身を整えることがとても重要なのだと悟りました。

 

好きなことをしよう。

 

心に栄養を惜しみなく与えていれば、暖かくなる頃にはきっと良くなるだろうと考えました。

 

以前から気になっていた、レトロな外観の喫茶店。
平日の昼下がり、1人で足を踏みいれました。
『胡桃堂』

なぜ、胡桃なんだ?などと考えながら、なんとなく2階のカウンター席に着席しました。店内には、カップルがたくさんいました。
レトロで落ち着く雰囲気は、デートにもぴったりだよなという考察をしながら、注文をしました。すぐに、店員さんが食事を運んできてくれました。

コーヒーの香りと、カステラの甘みが優しく口の中に広がる。伝票に胡桃のクリップがついている。
美味しい食べ物を食べながら、心地よいひと時を過ごす。
自分で自分を大切にしている感覚。

新しい生活に適応しなければ、仕事も家事も頑張らなくては、休んでいる場合ではない、と幾分殺気立っていた気持ちがまろやかに落ち着いていきました。
今 を大切に自分の時間を生きることの大切さを思い出していました。

新婚生活。
これからも、いろんな変化があるかもしれませんが、自分の時間を大切にしていきたいなと、心に刻みました。

ピョンタン

最近国分寺周辺に引っ越してきました。
ゆるゆる働くアラサー主婦です。
夫と2人暮らし。
好きなものは、美味しい食べ物、旅行です。