学校が嫌いな子供だった。
何かと理由をつけては学校を休みたがった。
うまいこと学校を休めた日には、一日中、絵を描いたり折り紙をしたりして過ごした。
大きなカレンダーの裏が真っ白だったので動物園にした。
色々な動物を折り紙で作って、カレンダーの裏に動物園マップを描いて並べた。
紙がすぐに足りなくなったので、これから来る月のカレンダーも剥がしてしまった。
四畳半の畳の上に増殖していく動物園。
好きだったのは亀の折り紙。
工程が多くて複雑だったから折るのが大変だったけど、
きれいにできたときの達成感は馬や象の比ではない。
部活動が嫌いな中学生だった。
何を間違ったかバスケットボール部なんてものに入ってしまった。
背が高くなりたかったのか。
辞めさせてくれと言ったのに、辞めさせてもらえなかった。
だから何かと理由をつけては部活をサボった。
ためていたお年玉でエレキギターを買った。
音楽仲間がひとりできた。
長髪だった。僕は丸刈り。
公民館を借りてふたりでコンサートを開いた。
はじめて人前で演奏した。
甲斐バンドの曲。
朝が嫌いな高校生だった。
毎晩のように深夜ラジオを聞いていた。
午前中はいつも眠くて不機嫌だった。
一生夜が明けなければいいのに。
学校帰りによく友人とゲームセンターに行った。
ペンゴというゲームが得意だった。
あまりにも上手くてなかなか終わらないので、
僕がペンゴをはじめると友人は別のゲームの卓に行ってしまう。
ダブルラジカセを買ってギターの多重録音をした。
録音を重ねるとだんだんスピードが速くなってしまうので、
その都度チューニングを合わせるのが大変だった。