胡桃堂喫茶店

特集・霜月篇[令和七年]共に暮らす

カメムシ取りから我が家の暮らしを考える

きときと

最近、我が家にカメムシが入ってきます。
夕方洗濯物を取り込むと1匹か2匹ついてきます。

私はあまり気にならないので、ほうっておきます。
次女と三女は虫が怖いそうで、「ギャーギャー」言います。
見かねた長女は虫取り網を持ってきます。

そんなに広くない家の中で虫取りが始まります。
「こっちだよー」
「あっち」
「ほら、飛んじゃった!」
「くさーいカメムシくさーい」
「じゃあ自分で取んなさいよ!」

あーだこーだというちびっ子に長女の怒りが飛びます。
カメムシは手の届かないところへ身を隠します。

そうこうしているうちに夫が帰ってきます。
「家の中に虫がいるのになんで何もしないの?」

今度は私が怒られて、
本気の虫取りを家族全員でします。

「どこにいんの!?」
「えーいないじゃん」
「飛んじゃったんだよー」
「もう!だから言ったでしょ!」

カメムシ降参。おとなしく虫取り網に入りました。

 

家族でも、価値観によって反応は違って、我が家は割と万事がこれで動いています。
わがまま、天真爛漫な次女・三女
責任感の強い長女
仕事のように家の中をチャキチャキ動き回る夫
なにもしない母

違うから面白いけど、違うから大変。違うということを分かっているからちょっと楽。
共に暮らすとはそういうことかなと感じています。今はまだ、家族5人、団子みたいにみんなで動くことが多く、時に煩わしいと感じるけれど、これが今の暮らしだなと思うのです。

虫取り大会も落ち着いて、布団に入り、寝る前に長女が一言。
「カメムシ、もう一匹いたよ」

「えー!早く言ってよ!!!」

きときと

胡桃堂喫茶店で働きながら、学校で授業をしたり、自宅で子供や大人の話を聞いたりしている。ここ最近は「文体」という言葉を探究している。


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