五葉の葉書が手元にある。
世に言う「お手紙コーヒー」、その返信。
見知らぬあなたへ宛てて、
ふと、忘れた頃に返ってくる。
ひとつ届くと、ひとつ送る。
贈る、受けるを、繰り返す。
初めは、むしろ自分宛てのつもりだった。
したためただけで、心が安らいだ。
年明けのバレンタイン、返信が来た。
メッセージに胸が痛み、スタッフの書き添えで涙が出た。
贈ったつもりが、倍になって返ってくる。
思いがけぬプレゼント。
ほんの一瞬の、
優しい戯れでしかないかもしれない。
それでも確かに、
心ある場があってこその、
紡がれる、ちいさな縁。
どうか、願わくば。
家族の病に寄り添い、闇の中にいるあなた。
宿った命との突然の別れに、それでもなお、一歩踏み出すあなた。
その手のその瞳の先に、ほのかでも確かな希望が点(とも)りますように。
未来に惑うあなた、心が飢(かつ)える気がするあなた。
新しい扉を開け,ときめきや、自分にとっての本物と触れあえただろうか。
小さなお子さんを育むあなた。
あなたの一生懸命さに、微笑みと懐かしさを感じ、かつての自分を振り返る。
健やかな成長を祈ってやまない。
そして、スタッフ。
一葉一葉、真摯に受け送る
皆さんの心配りに、感謝します。
日々の行いを、粛々淡々と続ける非凡。
それは祈りであり、
幸せへの希求であり、
理想の具現でもあり。
立冬の頃、見知らぬあなたへ思いをはせながら。
よき年が、訪れんことを。
切に、切に。