僕が胡桃堂喫茶店の建物に初めて入ったのは、開店の年の1月でした。まだ内装も何もなく、壁や床さえもむき出しのままの、がらんとした空間でした。
初めて入ったその時が、だけど「胡桃堂喫茶店と出会った日だ」とは思えない。
「出会ってしまった」という慣用表現があります。心を掴まれてしまったという意味だと思っています。僕が胡桃堂に出会ってしまったのは、ホームページを作り始めたときなんだと思います。
お店ってなんだろう? って、ときどき考えます。
スタッフの皆さんがいて、メニューがあって、建物があって、お客さんがいて、もちろん影山さんがいて、そうした色々なものをすべてひっくるめて胡桃堂だと思っている。
そういう「もんわり」とした形のないものとの出会いは、相手を深く知ろうと思ったときに訪れるのかもしれない。