不遜な考えだとわかっている。
でも、譲れなかった。
もし相手が
君が好きだ。結婚してほしい。
とか
君を愛してる。結婚、、(以下省略)。
なんて言ったら、瞬殺。
好きじゃなくなったら、愛さなくなったら、じゃあおしまいなんですかね。
はたまた、
君を幸せにする。だったら、
それは貴方の考える幸せで、私の幸せかどうかはわかりませんよね?
君を守る、も同様。
私の、何を、守ると???
ポーンと打たれたら、バァーンっ!
返し打ちのシュミレーション。
人は、条件が変わったらいつでも離れていくものだから。
怒涛の日々で得た、苦い教訓。
今心底好きだとしても、先のことなどわからない。自分の、まして他人の思いの不確かさなど。
✳︎
夜気をまとった公園で、横を歩く彼がふと足を止める。
真っ直ぐこちらを見る。対峙。
すうっと間合いを詰め、言葉を吐く。
「、、一緒に、生きよう。」
息を呑む。
「一緒に生きていこう。」
彼は,静かに続けた。
✳︎
ああ。この人は。
私のちんけな考えを凌駕するこの人は。
柳のような見かけに、鋼の意志をもつこの漢(おとこ)は。
しちめんどくさい私の手をつかんで離さないと決めたのだ。
好きとか愛してるとか、幸や不幸を透過して。
そんな諸々、ひっくるめて。
✳︎
ガシッとあなたにしがみついて、わあわあ泣いた。
それが、答えだ。