胡桃堂喫茶店

特集・長月篇[令和七年]映画

映画の前説いたします

きときと

そういえば、テレビの映画番組っていつからか前説がなくなりましたよね?

今回の特集のテーマが「映画」なので、私もおすすめの映画を投稿します。

私がおすすめするのは映画「プール」2009年公開)です。

漫画家・桜沢エリカさんの原作を基に、大森美香さんが監督されています。

小林聡美さんの主演で「かもめ食堂」や「めがね」などに似たゆったりとした描写の美しい映画です。

私はこの映画の
世界を信頼している様子が好きです。

登場人物たちは、主人公の親子以外は偶然出会った間柄なのに、お互いの存在をとても深く信頼しています。存在自体を補完しあっているようなそんな感じです。

印象に残る場面があります。

母親に置いて行かれた さよ(子)が母親の京子に不満をぶつける場面です。

 

さよ「ほっとかれた私の気持ち考えたことある?不良になってたっておかしくないんだよ?」

(省略)

京子「そうならないことは分かる。だってあたしはあなたを知ってるから。」

引用:「プール」より

 

「あたしはあなたを知っている」
すごいセリフだなぁと思うのです。
母親の京子は、さよ(子)をほっといたわけではなく、信頼して置いてきたということかなと思います。というよりも、私が私であるようにあなたもあなたでありなさい。という感じかな。

 子と親、登場する人たちがそれぞれの存在を補完しあって世界が成り立っているんです?

『プール』を観ると、人と人が出会って共に生きることの尊さを感じる。

そんな映画です。

自信がなくなったとき
人との関わりが面倒に感じたとき

ご覧になっていただければ幸いです。

それでは。

映画の前説。私は好きなのですが、みなさんいかがでしょうね。

きときと

胡桃堂喫茶店で働きながら、学校で授業をしたり、自宅で子供や大人の話を聞いたりしている。ここ最近は「文体」という言葉を探究している。


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