胡桃堂喫茶店

特集・如月篇[令和七年]喫茶店

毎日いること

おさき

ある日の夜、いつもと変わらず
閉店後に1階の席で仕事をしていると

かちゃ、と扉があいた。

お店のお客さんが
わたしの姿を見つけて入ってきてくれたのだ。

もちろん閉店時間を過ぎていることは知っていて、
それでも彼女は扉を開けてくれた。

*

これから一緒にやっていこうと思っている仲間と
話し合いをしてきた帰りなんだけど、
なんだかうまくいかなくて。
このままひとりで帰るのがしんどくて。
だからちょっと話したくなったの。

って

*

お店で働いていてよかったなと思う瞬間は
日々数えきれないほどあるけれど、
いま、1番に思い浮かんだのはこの日のことでした。

 

わたし、だいたい毎日お店にいるからさ、
何かあったらいつでもおいでよ。

おさき

20歳の頃から、お店の看板娘として多くのお客さんを迎えてきた。日曜音楽家としての顔もある彼女は、ミッフィーがとっても大好き。