ある日の夜、いつもと変わらず
閉店後に1階の席で仕事をしていると
かちゃ、と扉があいた。
お店のお客さんが
わたしの姿を見つけて入ってきてくれたのだ。
もちろん閉店時間を過ぎていることは知っていて、
それでも彼女は扉を開けてくれた。
*
これから一緒にやっていこうと思っている仲間と
話し合いをしてきた帰りなんだけど、
なんだかうまくいかなくて。
このままひとりで帰るのがしんどくて。
だからちょっと話したくなったの。
って
*
お店で働いていてよかったなと思う瞬間は
日々数えきれないほどあるけれど、
いま、1番に思い浮かんだのはこの日のことでした。
わたし、だいたい毎日お店にいるからさ、
何かあったらいつでもおいでよ。