胡桃堂喫茶店

特集・如月篇[令和五年]胡桃堂で撮った写真

作業する手

fennec

これは金継ぎをする師匠の手。
頼りがいのあるしっかりした手が、繊細に動く。
力強さとあたたかさが伝わってくる。

師匠が持っているのは母のお気に入りのもの、
父とのペアマグカップ。
何年もの間、毎日、縁が欠けても使い続けていたので
大きな欠けが3か所もできてしまっていた。
それをまずは、粘土のようなもので埋めて、ヤスリをかけて形を整える。銀色に塗る。銀粉をかける。
いつもは金を使うけど、「銀色も合うかと思って」と
師匠が用意してくれていた。

丸一日乾かして、母に渡した。
今日もマグカップにはカフェオレが入れられている。

大切にしたいものや人を大切にし続けられる金継ぎ、そして胡桃堂喫茶店。

fennec

サハラ砂漠に生息するフェネックに似てるとある人に言われた。
胡桃堂喫茶店でひとり本を読んだり、ノートに何やら書いたり、ヘブライ語を勉強しているフェネック似がいたらそれはきっとわたし。

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