胡桃堂喫茶店

特集・神無月篇[令和六年]コーヒーのお供

タバコとコーヒー

チョチョロドリゲス

昔、タバコを吸っていた頃、喉が弱かった僕は、何かを飲みながらでないと喫煙ができなかった。

すぐに喉が痛くなってしまうので、喉を潤しながらタバコを吸っていたのだ。

水、ジュース、お茶、カルピス、色々試したけど、コーヒーがダントツに合う。

甘い缶コーヒーなんかもすごく良いし、本格的な喫茶店で出されるものも抜群だ。

とにかく、喫煙とコーヒーはセットだった。タバコが吸いたいなあと思ったら、コーヒーを探すのだ。

 

 ・・・・・。

 

昔のことを思い出しながらこう書いていて、そういえば・・・と思った。

僕はそのために、いつも缶コーヒーを手に持っていた。タバコをいつでも吸えるように、飲みさしのコーヒーを持っていた。半日とかをかけて、ゆっくりとコーヒーを飲み干すのであった。

大学の授業中も机の上には缶コーヒーがあった。ちょっと喉が渇いてコーヒーを飲もうと思うが、後でタバコを吸いたくなったときのために、ほんのちょっとだけ飲んで取っておこうと考えた。

そんな風に、僕の生活にはいつもコーヒーが側にあった。・・実はタバコと過ごす時間よりもはるかに長く、コーヒーと過ごしていた。

タバコのためにと思って買ったコーヒーは、よく考えてみると、ずっと横にあって、その上に様々な景色が広がっていたのであった。

僕のコーヒーのお供は生活だ。

チョチョロドリゲス

絵を描いたり文章を書いたり、写真を撮ったり曲を作ったり、散歩をしたりするのが好きです。人と話をすることも大好きです。もちろんペンネームですが、なにかの会員登録でうっかり使ったらこの名前で郵便物が届きました。