いつのころからか、小説が苦手です。
こんなことを言うと、「本屋なのに?」とびっくりされることが多いのですが
ちゃんと本屋に勤め始めたときには、あまり小説を読まなくなっていたように思います。
中でも苦手なのが「ファンタジー」。
これは自覚した瞬間をはっきり覚えています。
幼稚園のころだったと思います。
そのときは小説ではなく、その当時、話題になっていたアニメを見ていたときでした。
いまになって思えば、そのアニメの内容が、幼稚園児にとって難しかったのかも知れません。
でもそれ以降、なんとなくファンタジーを避けるようになりました。
長い長い年月が経ち
今年になって、あることがきっかけとなり
どうして小説が苦手になったのか、を探る旅(?)が始まりました。
なぜあのときファンタジーを苦手だと思ったのだろう。
さかのぼって考えてみたところ、わたしは「ファンタジー」を
「思うようにならない状況に陥ったとき、それを変えることのできる、奇跡のような何か」
と、捉えていたことが分かったのです。
そして、意外だったのは
嫌なのは「ファンタジー」ではなく、「思うようにならない状況に陥ること」自体だということ。
…長年、「ファンタジー」にも、あのアニメにも、濡れ衣を着せていたのです。
誰の人生にも、大なり小なり起きている(と思われる)この「ファンタジー」。
ときどき、お店に立っているときにも「ファンタジーのたね」のようなものを感じることがあります。
お店界隈で発動する数々の「ファンタジー」。それを見届けること。
これからのわたしの楽しみでもあります。