この春は心身ともに揺れに揺れて
すっきり目が覚めて一日を始められるような日が少なく
しんどいなぁと感じていた。
久しぶりの晴れ、今日こそお花見日和じゃないかと
家の中にいてももやもやとしているなにかを取り払おうと
ねぼすけしーちゃんとわたしは着替えて出発した。
川辺の桜は満開。
どの人も顔を上に向けて
頰はゆるんで
足どりもゆったり。
頭痛がどっかに行きますようにと祈りながら
お花見しつつ自転車を走らせていると
「おーい」
手を振ってくれた友達。
しばし自転車を停めておしゃべりするだけで気が晴れるよう。
「やっほー」
今度はしーちゃんの友達だ。
「久しぶりね」
声をかけてくれたのは保育園の頃から知っているお母さん。
あっちこっちでこうして人に出会う時
この街で暮らしてるんだな、育ったんだなと思う。
同級生が営むサンドイッチ屋さんへ行ってみると
人が並んでいても慌てることなく
ゆったり笑顔でひとりひとりに向き合うKちゃんがいた。
あの可愛さは小さい頃からずっと変わらないんだよなぁ。
「いちごサンド、あったよ!」
うれしそうに指さすしーちゃん。
色とりどりのサンドイッチの中から欲しいものを選ぶって
わくわくするよね。
テイクアウトして桜のトンネルへ。
途中、写真撮影をしていた夫と合流して
ベンチに腰掛けてサンドイッチタイム。
ひとり散歩していたおじいちゃんは
にこにこ顔でしーちゃんとハイタッチ。
からだはなんだかどんよりだる重たいけれど
外に出てみると
自分以外の世界にたくさん出会えるから
少しずついろんなものが吹っ切れていくのを感じる。
みんなしあわせであれと
大きなことを思ったりする。
公園では堂々とベンチに寝そべって
太陽の光をいっぱいに蓄えた。
帰宅後にトイレに駆け込むしーちゃん
「はぁ〜きもちいい〜」
無事に間に合ってホッとして出た一言
笑ってしまう。
ちいさいことの生活は
日常のあっちこっちにきらめくよろこびに満ちているんだなと
気づく場面がいっぱいある。
自分の時間が少なくなったようで
本当はそんなことなくて
豊かにびろーんと伸びてたゆたっているのだと思う。
自分だけで生きてないからいいんだよなって
ままならないようで
生かされている日々を思う。
夫が作ってくれた熱々の鍋を
寝かしつけ後に頬張りながら。