胡桃堂喫茶店

夜のもちよりブックス #53「遠きにありて」

2024年6月30日更新

こんにちは。
胡桃堂書店の吉田です。

  「ふるさとは遠きにありて思うもの」

これは金沢出身の詩人・室生犀星の詩の一節です。

ずっと、故郷をなつかしんで作ったものだと思っていましたが
実は、東京でうまく行かず、故郷に帰っても温かく受け入れてもらえなかった犀星の、その悲哀や愛憎の入り混じった思いから生まれたのだと知りました。

私の大学の恩師は、授業中よくこの一節を口にしていました。

とてもやさしい教授で
わたしの学生時代には、他の教授たちとは一線を画しているような印象がありました。

その理由は、実は大学ではアウトサイダー的な存在であったこと。故郷・金沢でも、上京した後も、就職が決まった後も、留学先でも
自分ではどうにもならないことがきっかけで
ずっと苦労されていたということを、つい最近になって知りました。

自分と同じ故郷をもつ犀星の、この一節を口にするとき
先生はどんなことを考えていたのだろう、と
思いを馳せる今日この頃です。

という訳で今回のテーマは
「遠きにありて」は、いかがでしょうか。

「遠きにありて」と聞いて思い浮かんだあなたの一冊をご紹介下さい。

 

● 夜のもちよりブックス #53

日時:2024年7月3日(水)19:30〜21:10
場所:胡桃堂喫茶店 *当日通常営業はお休みとなっております
定員:10名
参加費:500円(1drink付)
お申込:イベントページの<参加>ボタンを押していただくか、info@kurumido2017.jp までご連絡ください

<プログラム>
本をお持ちくださったみなさまから
本のご紹介をいただきます
テーマ以外の本のご紹介や、ちょっと聴いてみたい、というご参加も大歓迎です

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今後の開催予定は以下の通りです
*日程は変更になる可能性があります

▷7月31日(水)19:30~21:00