2019年10月16日更新
どうもこんにちは。
胡桃堂喫茶店・書店担当の今田です。
月に一度開いております
「胡桃堂書店 朝のもちよりブックス」
■
胡桃堂書店では棚づくりの一部を
「もちよりブックス」と呼んでおります。
これは本屋さんの本棚を
まちのみんなで本を持ち寄ってつくってみませんか?
というものです。
それぞれの自宅の本棚に並ぶ本。
とっておきたいもの
その背中だけでも眺めていたいもの
折に触れて読み返す本…
いろんな種類の本があると思うのですが
それらの中に
「次の人に読み継いでもらいたいと思う本」
ありませんか?
自分は読み終えたけれど、大事な本。
でも、自分が読み返すことはきっともうなく
興味を持ってくれる人がいるのなら
その次の人へと託してもいいと思う本。
そうした本をお預かりします。
値段も、決めていただいて結構です。
次の読み手とうまく巡り合えたなら
そのお代の半分近くを
お戻しさせていただきます。
そういう仕組みに
参加してみたいという方
いらっしゃいませんか?
ありがたいことに、
これまで80人ほどの方が本を預けてくださり、
胡桃堂書店の棚に思いのこもった本が
だいぶ増えてきました。
□
この「朝のもちよりブックス」では
毎回、冒頭に案内役をお招きして
本にまつわるテーマでお話いただいております。
今回のゲストは
石躍凌摩(いしやく・りょうま)さんです。
石躍さんとの出会いは
雪柳が花盛りの頃。
朝一、スーツケースを転がした青年が来店し
お茶をした後、レジにシンボルスカの詩集を持ってきた。
「シンボルスカが好きな人はみんな友達」
という強い思い込みをしている私は思わず話しかけた。
すると、何やら青年は自分で本をつくっているという。
その場で見せてくれた自作の本は
「微花」という美しい佇まいの本だった。
http://kasuka.base.ec/
あ、見返しがちょうど雪柳ですね!
なんて言いながらページをめくると、
こう書いてあった。
雑草という名の草はない。すべての草には名前がある。とは、昭和天皇の言葉だった。わからないではなかった。けれど待たれた、それにつづく言葉はとうとうなかった。わかりきれず、つれて雑草と呼べない名ざせない植物は、いっそう遠くに咲いた。どうすればいい。いたたまれなくて、かわる名を考えた。微かに咲く花だから微花(かすか)なんてよいかもしれない。そう名づけてから、名ざせないものを微花とひとり呼びつづけた。そんな日日もしばらくつもってふいにさとった。微かな花をかすかにかんじるのは、己の不感症に過ぎないと。雑草雑草とけなしつづけるけれど、雑なのはまぎれもなくこの自分だと。草花の総称の名をいくら変えたって変わらない、ゆゆしい距りがあると。草花そのものでなく、この距りにこそ名がいると。それならばこの名こそ、微花だと。
距りは、咲いている。(後略)
すっかり気持ちをつかまれてしまい、
また別の機会にもお会いして、
「もちよりブックス」のゲストの依頼を行った。
『微花』について話してくれるのかなと思いながら
「テーマはなんでもいいですよ」とお伝えしたところ
「『パパ・ユーア クレイジー』っていう小説があるんですよ。伊丹十三が訳しているんですけど。それは『微花』にも自分にもすごく大きな影響を与えていて」とそっと力強く応えてくれた。
石躍さんがつけた副題の名前は
「読むことを生きる文学について」
どんなお話になるか、今から楽しみです。
|概要|
================
胡桃堂書店 朝のもちよりブックス #13
『パパ・ユーア クレイジー』 読むことを生きる文学について
日時:2019年10月27日(日)9:00~10:45
場所:胡桃堂喫茶店
参加費:500円(ワンドリンク込み)
*高校生以下、無料!
お申込み:info@kurumido2017.jp/ 042-401-0433
第一部 9:00-10:00
話し手:石躍凌摩さん
案内役 プロフィール
石躍凌摩(いしやく・りょうま)さん
1993年、大阪生れ。2015年4月23日、季刊の植物図鑑「微花」を創刊し、四季六冊を刊行した後、一時休刊。そうしてこの春、あらたに写真絵本として復刊。植物や本にまつわる展示、イベント、ワークショップなども執り行う。
扱う本
ウィリアム サローヤン・著 伊丹十三・訳
『パパ・ユーア クレイジー』
---
第二部 10:00~10:45
「本のもちよりタイム」
・「胡桃堂書店のもちよりブックス」のご紹介
・みなさんが持って来てくださった本のご紹介
・本へのスリップ書き
================
|本を出品していただくにあたり|
本を出品していただくには
いくつか条件があります。
ですので実際に出品するかどうかは
その話を聞いた上でということに
なるかと思うのですが
それでも見込みで、出品候補の本
お持ちいただけるようでしたら是非。
出品そのものは考えていなくても
本が好き、とか
日曜朝ヒマ、とか
そういう方も是非。
基本、お茶でもしながら~という
ゆるやかな会ですので
どちらさまもどうぞお気軽に。
みなさまのご参加
お待ちしております◎
|この先の予定|
11月23日(日)9:00-
テーマ未定
ゲストがいないしっぽりとした夜の会も
開催しております!
10月30日(水)19:30-