胡桃堂喫茶店

おすすめしたい本

2019年4月7日更新

おすすめしたい本

先週の定休日スタッフみんなでお花見をしました(´・ω・`)
 
そんな今日この頃(?)、店内では
「春に読みたい、スタッフおすすめ本フェア」を開催中です。
 
私たちがおすすめしたい本をコメントとともにご紹介。
 
選書にはそのひとの興味や人となりが表れています。
メニューや空間作りだけでなく、
スタッフ一人一人も「胡桃堂喫茶店」を表現する色のひとつだと思います。

 どんなことを考えているスタッフがいるか知ってもらうことで、
もっとお店を身近に感じていただけたらとてもうれしです!

私がおすすめしている本もありますが、
実はもう1冊お薦めしたい本があります。
 
思い入れが強すぎてなかなか文章にできず、
フェアには間に合わせられませんでしたが、
こちらで紹介させてください。
  
‐‐‐‐‐‐
『ブルーシート』 雨屋法水(白水社)

福島県いわき市の高校生たちが演じた演劇の脚本です。
震災の年に入学した演劇部の高校生たちとともに、
脚本と演出を飴屋法水(あめや のりみず)さんが手掛けました。
 
あのとき起きたことが、高校生たちが見たものが、
舞台芸術の次元で表現されています。
 
作品のなかで繰り返し出てくる台詞があります。
  
「人は、見たものを、覚えていることができると思う。
人は、見たものを、忘れることが、できると思う。」
  
「震災を忘れない」という言葉はよく聞きますが、
似ているようでまったく異なるこの台詞は、
福島で被災し、多くの死に直面し、
家が流され、仮設住宅で暮し、余震や放射能に翻弄され、
崩れた建物や崖の斜面が「ブルーシート」で覆われた景色を見ながら生きてきた者が紡ぐことのできる言葉。
 
覚えていること、忘れること。
そのどちらも私たちが様々な経験をしながら生きる上では必要で、
「そこ」から離れることだってできるという事実だけが
ひとの生を支える瞬間もあるのだと思います。
 
ほかにも、純粋な子どもにまっすぐに指を指されて本質をつかれるような、
どきっとする台詞がたくさん出てきます。
  
長くなってしまいましたが、ぜひ!読んでいただきたい作品です。
スタッフおすすめ本フェア、お楽しみください~